ボンネットバスで秋のかずら橋へ

徳島県

紅葉を探しに祖谷渓に

徳島県西端の祖谷のかずら橋。山間部にあるので、すでに紅葉が始まっているのではと訪れました。確かにきれいな山々の木々ですが、地元の方に伺うと、ここも今年は暖かく、例年より随分遅れているそうです。

今回は、四国交通さんが企画しているボンネットバスでかずら橋や吉野川下りをめぐる旅に参加することに。車でも行くことも可能な距離ですが、山間をかなりの距離走ることや細い道に停車して写真を撮ると危ないので、バス旅にしました。出発は、JR阿波池田駅なので、そこまでは、特急四万十号ですいーと。

特急とはいえ、2両編成だったので自由席はほぼ満席でした。

JR阿波池田駅です。構内に7イレブンがあります。今回思ったのですが、遠方でコンビニ銀行から手数料無料で出金できる銀行カードを持っていると便利です。この頃低金利施策で銀行もどんどん再編成して、なかなかATMが見つからない時がありますから。

駅前に定期観光バスの停留所がありました。10時30分出発。1日にこの便のみです。

ボンネットバスの登場

定刻近くになると、すーとバスが登場しました。どこにいたのかいきなり観光客が集まってきます。

すごい威圧感がある面構えです。後でガイドさんに聞いたところ、昭和41年から稼働しているバスで、もう壊れても修理する純性部品はないとか。ワイパーが左右不釣り合いなのは、他の車の物を代用しているそうです。運転手さんに聞くと、エンジンはすでに2機目で、5年前に取り換えたそうです。それも車のエンジンは合うのがないので、伐採した材木をケーブルで運ぶ重機のエンジンを載せたそうです。すごい。

運転席周りです。昔の車はシンプルです。

車内の様子です。多分、昔から観光バス仕様だったのではと思います。通常の乗り合いバスでは、乗り降りが不便な椅子のレイアウトです。

年代からして、当然、クーラーはありません。

駅前を出たバスは、直ぐ近くのバスセンターで乗客がいったん下車し、このツアーの料金を精算します。

ツアーの料金を精算すると、バスの席の番号を書いた参加シールをくれるの、胸に貼って迷子防止です。このボンネットバスの旅は、3か月前から四国交通で予約できるようです。

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阿波池田を出発してしばらくは、濃いグリーンの水もを見て穏やかなバスの旅です。バスを予約する際に、希望の席も指定できます。長い距離、吉野川沿いに走るので、左側の席がいいように思います。

まずは、平家落人のいわれ高い平家屋敷へ

このバスに乗っている皆さんは私を含め19人、ガイドさんによると台湾と香港からのツアー客が17人。日本人は、2人でした。こんな山奥にも足を延ばしてくれるのは、大変ありがたいことですが、逆にLCCの開通で日本観光ブームが盛り上がる前は、日本人だけの観光客は少なかったということですから、企画自体が大変だったのではと心配します。

門をくぐると、時代がタイムスリップしたかのようです。

安徳天皇のお抱え医師だった方がこの地で生き延びた家屋だそうです。

長い歴史の生活用品などが展示されています。皆さん熱心です。

気が付くともう昼食時です。

かずら橋の近くのホテルにツアーの昼食が用意されていました。

2回の和室で皆さん一緒に食べます。部屋の中は、台湾語と中国語でワイワガヤガヤ。

食事の内容は、地元色を前面に出していて、山菜やこんにゃくが上手に料理されていました。途中で、アマゴの塩焼きが追加されました。

食事を終えて、バスに戻った時に、運転手さんが暑いので窓を開けようとして、なかなか開かなくて。それが珍しい光景で、皆さん写真を撮っています。

出発しようとした時、向こうからもう1台のボンネットバスが。ホテルの方のお話では、このホテルが客の送迎用に使用しているそうです。山間に2台のボンネットバス。二十四の瞳の映画のようです。

かずら橋に到着

初めて来ましたが、地理的にはかなりの山奥ですが観光設備としてはかなりしっかりしたものです。駐車場も広く、木造の建物もゆたっりした造りになっていました。

このセンターの中を通って、橋の入り口に行きます。

5分程度でしょうか。周りの景色を楽しみながら歩いているとすぐ着きます。

ここから渡ります。写真にはありませんが、入り口にゲートがあり、通行料が必要です。大人300円。ツアー参加者は、参加費に含まれます。

結構揺れるので、やっぱりこんな感じになりますよね。

足元は、子供の靴ならスポット入ってしまいそうな間隔で板が組まれています。よく見ると編んでいるかずらとは別に、太い鋼線が設置されています。そりゃそうですよね。

橋を渡り終えた近くにある琵琶の滝。ここでも台湾からの観光客の方がいっぱいでした。しっかりポーズを決めてパチリ。

次は、祖谷渓をのぞきに行きます。

細いくねくねした道を谷間が見えるポイントまでバスで連れて行ってもらえます。そこには小便小僧の像が。うーん、これを見に来たとは外国の方にうまく説明できないかも。あくまでも祖谷渓を見に来たのであって。しかし、こんな山道でも、運転手さんはどんどん攻めます。

道が細いので、バスの停車は無理なことから、いったん下車してバスは走り去ります。

でもみんな、この写真を撮っています。谷の渓谷を撮ってくださーい。

しばらくすると、迎えに来てくれました。

次は、妖怪屋敷

国道32号に戻って、道の駅大歩危へ。ここは妖怪屋敷が併設されています。昔からこの辺りの山城町では妖怪にまつわる言い伝えや習わしが多く残っているとか。

来館者へこわーいスキンシップのおもてなしが。

ちょうど、川の向こうの土讃線を四国千年ものがたりの観光列車が通過しました。列車の乗客もこちら側の皆さんも思わず手を振って、おーい。

川下りで盛り上がります。

近くの川下り船乗り場に移動します。川下りは、大人1200円ですが、これも参加費に含まれています。

平日でしたが、乗船客がいっぱいでした。ここでも、聞こえるのは外国語ばかりです。

出発してすぐに、皆さんが建物のほうに向かって喜びながら手を振ります。

施設の方が、台湾と香港の国旗を振って歓待していたのを見つけたようです。これこそ、おもてなしかも。

船頭さんが川の奇岩や大歩危の地名のいわれ、周辺のれきしなどについてわかりやすく解説してくれます。

船が行きかうときにはお互いに笑顔で手を振ります。

もう夕方、駅に向かって帰ります。

帰りのバスでは、1日一緒にいたためか、なんとなく知り合いのような雰囲気になり、台湾や香港のお菓子が回ってきました。

阿波池田の駅前で皆さん下車し解散しました。バスがこの日の仕事を終えて帰社します。

香川県方面への特急は約1時間待ち。駅のホームから飛行機雲が見えました。

紅葉を探しに行ったのですが、今年は11月に入ってもまだまだのようでした。1日海外からの皆さんと一緒に回って、大きな勉強をしました。これまで、海外からの方は、異国のためか、大きな声を出したり、日本のマナーを意に介しない振る舞いが多いと思っていましたが、今回同行させていただいた皆さんは、できる限り行く先々でトラブルを避けるような気づかいをされていました。感心しました。勉強になったのは、いつも笑顔で、旅を楽しみ、この瞬間を大切ないい思い出にしようと取り組まれていること。写真を撮るときも、日本人は、ちょっと恥ずかしくなるようなモデルポーズを皆さんします。逆に、日本に来てつまらなさそうな顔で写真を撮っていたら、こちらもがっかりするかもしれません。人生で旅をするときは、自分の大切な思い出を一生懸命残しているという心構えを、持ちたいと思いました。

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