プレートの動きで、海底が隆起(室戸・新村遊歩道)

高知県

1000年で2m隆起

南海トラフ地震は、西日本の太平洋側海底にあるフィリピンプレートが、四国や紀州半島方向に動き、ユーラシアプレートの下に沈み込む際のひずみにより起こるとされています。その「沈み込み」の影響を地上で見ることができるのが、この新村遊歩道です。どんどん四国の下に潜り込むことから、太平洋側の海底が四国にぶつかり、挙句、隆起してしまっている状態です。解説では、1000年に2m隆起しているとのことですから、平均すると年に2ミリ。もちろん、過去の大地震の際には変動が大きかったはずですから、毎年このペースではありませんが、しかし、確実に動いているようです。

高知市から太平洋岸を走っていると、室戸岬近くの国道55号沿いに新村遊歩道の駐車場が整備されています。

結構、見学者がいるのでしょうか。

まー、釣り客の便利な駐車場の面があるようです。しかし、本気モードですね、この人たち。無事に帰ってきてください。

駐車場にある解説板です。この辺りで見ることができる地形が、貴重なものであることを説明しています。

学生さんたちが、見学にスタートします。どうも高知大学のゼミのようです。お疲れ様です。

見学スタート

地形の中を歩く遊歩道は、きれいに整備されています。清掃もしっかりされていました。

縞模様の地層が押し寄せるように迫っているのが分かります。過去に海底だった際に、砂層と泥層が幾重にも重なって堆積したものが隆起したものです。人が小さく見える。

この辺では、四国にぶつかり、行き場を失った地層が縦にそそり立っています。

遊歩道は、かなり奥まった場所にも整備されています。

ポイントには、海底の動きの解説がされています。

海底にも水の流れがあり、海底水路がそのまま浮き上がった様子です。

ここでも、学生さんたちが熱心に調査していました。

海岸沿いなので、カニもいます。

南海トラフ地震は、近い将来、必ず起きるとされています。室戸岬の近くでも、すでに巨大な津波避難タワーが幾つも整備されていて、その被害想定の大きさを表しています。室戸岬付近の地形がプレートの影響で連続して隆起している事実は、自然エネルギーの大きさと、備えの大切さと、停めることができないあきらめを感じます。

コメント

  1. […] こちらでも、室戸岬の地形についてガイドさんから説明を受けているようです。新村遊歩道と同じ現象が起きているんですね。 […]