鉄道のある風景 土讃線坪尻駅

徳島県

平成27年の青春18きっぷのポスターに採用された坪尻駅。キャッチコピーは、「14時55分 一生来なかったかもしれない場所に、いま来ています。」。坪尻駅は、秘境駅としても有名で、四国山脈の山間にひっそりとたたずむ無人駅。多分、乗降客が全くいない日がほとんどではと思います。でも、だからいいんです。

これが、平成27年の青春18きっぷのチラシですポスターも同じ画像のようです。撮影は、2月と記載されています。この時期ですね。

JR土讃線の駅。国道32号沿いに

今回は、香川県側から車で接近しました。坪尻駅があるJR土讃線は国道32号と並走しています。昔から、香川県と高知県を結ぶ国道32号は、たくさんの車両が通行する幹線道路だったんですが、高速道路ができて通行量が激減し、さらに令和2年末にバイパストンネルが完成したために、今はこの付近はほとんど車が通りません。行ってみてびっくりしたぐらい通りません。

この辺が坪尻駅に近い集落です。

バス停があります。四国交通の野呂内線の落バス停です。

集落の中を通るこの道を登って行きます。今回はここから徒歩で登ることにしました。実は、坪尻駅自体に道路から接近する接道は、かなり細く、徒歩でしか行けません。そのため、駅には行かず、ポスターと同じ景色を見るべく、付近の山に登ります。

集落の中の道は整備されています。

坪尻駅展望台へ

道沿いに坪尻駅展望台が現れます。平成28年にここから写真撮影をしていて滑落事故があったため整備されたとか。青春18きっぷのポスターの翌年です。ポスターに感動した人が同じ景色を見に来たんでしょうか。

ここにも注意書きがあります。気を付けなければ。

展望台からの景色です。たしかに、ポスターに近いものが見えます。手すりもしっかりあります。登ってみて思いましたが、周りに風を遮るものがないので帽子が飛びそうになるくらい予想外の風が吹きます。もし、この展望台がなく足元が悪い場所に立っていて突風に吹かれたらと思うと、ありがたい施設です。

列車が来るまでに時間があるので散策

今回の旅ですれ違った歩行者は、この方だけでした。

古い木造家屋も残っています。何だか来たかいがあります。

見上げると犬がじっと見つめていました。多分散歩する人を見るのは珍しいのでは。

あそこの道も登ります。

段々、山の上に近づくと空が広くなります。

随分高い所まで来ました。

郵便集配車です。別の道から登ってきたんですね。

かなり頂上に近い集落です。

この辺りに来ると、箸蔵寺ロープウエイの施設が見えてきます。

道路にも、この道を行けば箸蔵寺と標識がありました。

展望台に帰ります。

12時台は、少ないながらも坪尻駅付近を頻繁に列車が通過します。急いで展望台に帰ります。

まず、下りの特急南風アンパンマン号が来ました。離れているので音はかすかに聞こえます。

そして、下りの普通列車がスイッチバックの車線に入り駅に向かいます。

そして、登りの特急南風です。塩尻駅の普通列車が見送ります。

普通列車が、次の箸蔵駅に向かい出発しました。

坪尻駅は、四国に二つしかないスイッチバック駅の一つです。谷底にあるため、両脇の幹線道路に徒歩で登って行くのにそれぞれ20分から30分かかります。その登り道も利用客がほとんどないため、マムシやハチに注意しなければなりません。付近の集落の人口減少や道路の整備などもあり、今後も鉄道利用よりも秘境駅として存続するかもしれません。こんな谷間の駅も決められた時刻通りに雨の日も雪の日も運行を続ける鉄道。筆者が好きな鉄道の男っぽい姿です、

 青春18きっぷのポスターは秀作が多く、筆者もファンの一人です。坪尻駅のポスターもデイパック一つ持ち、半そでで旅をするといろんな出会いや経験が待っているようなイメージが広がるいい写真だと思います。ポスターのサブキャッチコピーは、「その一瞬が一生の思い出になる。」です。実によくできています。利用客が少なくても駅として存続を続けてほしいと願うばかりです。今度は、駅に降りてみたい。

コメント