横溝正史の舞台かと錯覚 土呂峡

愛媛県

なんと昭和27年建設の塔が今も残されている土呂橋(とろはし)。西条市を流れる加茂川の上流となる谷川に架かります。一帯は土呂峡(とろきょう)と呼ばれる景勝地で、澄んだ水は美しい緑色です。岩を存分に残した景観と橋の古い風情からくる何となく暗く謎めいた雰囲気は、横溝シリーズの金田一耕助が歩いていそうです。

西条市からは寒風山トンネルの手前に

国道194号を走ると、寒風山トンネルに入る手前に笹ヶ峰登山口の案内板があります。ここを入ります。

道を入ってすぐに土呂橋が見えてきます。

歴史感じます。この朽ちたコンクリート。

昭和27年架設と刻まれています。約70年前です。

昭和42年3月の表示があるので、この時補修工事があったのかも。塔があるということは元々は吊橋だったんでしょうか。

欄干越しに下を見ると、こんなに高い場所に架設されているとは。はるか下に岩肌と清流が見えます。

ロッククライミングの帰りですと3人の若者が。この背中の荷物は何でしょうか。訊けなかった。

反対側を見ると遠くに遊歩道らしきものが。どうやら川底まで見に行けるようです。でも行きませんでした。人はおらずここで怪我してしくじると、とんでもない迷惑をかけそうな気がして。

濁流を抑止するコンクリートの堰のようなものが。水抜きの穴は岩の起伏を利用しています。昔はこんな自然との関わり方をしていたんですね。

帰りに国道から降りる階段を見つけました。先ほどの遊歩道につながるようです。

四国にはこんな古い橋脚がそこかしこに残っています。山間部で人も減り、直ちに架け替える必要性も薄くなったためでしょうか。でもいつかは老朽化して使用することが危険なレベルに達します。通れる橋は今後減り続けるのでは。南海トラフ地震までに足を運びたい。

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